起業したいけど何からはじめればよい⁈やりたいことがわからないのが当然!
8月8日に会社にして8年が経ちました!
起業したい人は多くいます。ありとあらゆる仕事が世の中にはあります。では、あなたはどういうジャンルのどういう事業で起業したいのでしょうか?
「起業はしたいけれど、何をやればいいかわからない」
こういう答えをする人も少なくありません。起業向けビジネスセミナーの参加者でも、自分がどういう事業をしようかと悩んでいる人がいるのです。
そんなときにわたしがいうのは、次のことです。
「やりたいことがわからないのが当然なのです。それが普通です」
起業している人の中には、ある事業をやりたいと考えて起業した人もいます。でも、起業人の誰もが最初から「やりたいこと」が分かっていたわけではないということです。
だから迷うし、ビジネス雑誌やビジネス本などを片っ端から読み漁ります。それも大切なことなのです。
インターネットで、「脱サラ」を検索すると、多くのサイトがずらりとヒットしますが、なかには独立開業しやすいものを紹介しているサイトも出てきます。
多くのは、どこかのフランチャイズの募集広告のための内容だったり、無責任なブログだったりします。
それでも何も起業アイデアがないよりはましかもしれません。どういうものがあるか少し紹介しましょう。これも何かのヒントになるかもしれません。
・レンタルビジネスで独立開業
・マッチングビジネスで独立開業
・仕事経験・人脈を活かしたビジネスで独立開業
・代行ビジネスで独立開業
・ブログビジネスで独立開業
・YouTubeを活かしたビジネスで独立開業
・コンサルティングとして独立開業
・投資家が投資したい事業で独立開業
・新規顧客営業代行ビジネス
・完全歩合の業務委託で働く
・フランチャイズビジネスで独立開業
いかがでしょうか?
どれもこれも、やろうと思えばできるかもしれません。
ですが、ピンと来ない、何となくどこかで聞いたようなものだと思うのも無理ありません。独立開業するなら、こういうものがありますよという事例として取り上げているから新規性はありません。
しかし、やりたいことがわからないと諦める必要はありません。
知らずのうちに、自分がやりたくないことはわかっています。また、やりたい方向の仕事についてもわかっているものです。
例えば、最後のフランチャイズビジネスで独立開業ですが、代表的なものはコンビニ店でしょう。ラーメン店やファミリーレストランなどもありますが、フランチャイズで独立したいかどうか。脱サラはできるかもしれませんが、高いロイヤリティーを払って続ける仕事が自分のやりたいことなのかどうか。
そういうことを自分自身に問いかければ、本当にやりたいかどうか答えはでるでしょう。
そういうものを外して、絞り込めば、やがて見つかります。
やりたいことわからない人は、仕事にする理由を探している場合もあります。人からどう見える仕事なのか、それに対する正当な理由を見つけようとして出来ないために起業できないということもあります。
まず「やりたいこと」「適度に利益もでる」「自分で工夫できる」、この3つがあれば起業動機としては充分です。
難しく考えなくてもいいのです、起業動機を明確にすると、何をやればよいのか、何をすべきかが見えてくるケースもあります。
例えば、「満員電車に乗りたくない」というのも起業動機になります。
自分で仕事をするわけですから、どこかのオフィスに出向かず、家で仕事ができる事業なら、満員電車に乗る必要はありません。
後ろ向きの動機に聞こえますが、家で仕事すると決めれば、家でできる事業を考えればいいです。
実際、わたしも満員電車に乗るのはいやだったので、これが動機のひとつでした。こう説明すると、意外な動機だと思われます。なかには、そんなつまらない動機で起業したのかと驚く人もいます。
わたしが自分で起業しようと考えたのは、「人に指図されたくない」というものでした。
子どもみたいな理由だと言われることもあります。でもそれが正直な本音なのです。広告代理店時代に、いろいろな企画書を書いて、提案したことがありました。しかし、会社の業務内容から超えた提案だったので、上司も扱いに困ったのでしょう、「うちではできないことだ」と言われ実現できませんでした。
自分ではいいアイデアだと確信していたので、そのアイデアを活かせないのは残念でたまりませんでした。
業務範囲でなければ、業務として、企画実現のために会社が動けばよいのです。それは正論ですが、実際の仕事の現場では通用しないのです。
テレビドラマでも映画でも無い限り、そうそう事がうまく運びません。
うまく事が運ばないなら、「自分で決めて、自分でやる」という結論になります。
小さな不満でもいいし、困っていたことでもいいし、こうなればいいのにということ、そういう些細なことを実現する、もしくは解決しようと思うことが起業の動機としては強いと思います。
逆に、誰が聞いてもカッコイイ、体裁のよい起業動機を考えていると、何をしたらいいのかわからなくなります。
起業動機は、単純で子どもっぽいことで構わないのです。重要なのは、何をどうしていくのか、その事業をどう続けていけるかということなのです。
いま、何をやればいいのかわからない、悩んでいるという人には、起業したい動機を1つ考えてみることをおすすめします。
ノートにやりたくないことをいくつも書き留めていくことが、やりたいことを絞り込むには早いこともあります。
「頭で考えるより、心で感じて動く」
手を動かして、メリット、デメリットをまとめることからでもいいのです。
マトリックス図やチャード図を書いてみるのも、考えの整理に適しています。
自分で起業する一歩は、あれこれ悩むことです。どういう事業を始めるにも、頭で考えていたことと、実践ではズレが生じます。
実践したからこそ、気づかなかったトラブルや課題にぶち当たることもあります。わたしは、いまリサイクルショップを経営しています。いまも日々、新しい課題にぶちあたることがあります。
元来、後先考えずに行動に移すタイプでしたので、失敗を恐れて挑戦しないことはありませんでした。回りから見ると、ハラハラするのかもしれませんし、失敗して当たり前の状況で、よくやるなと呆れられていたかもしれません。
しかし、行動して失敗しても、そこで得られるものが必ずあります。
「失敗した原因、理由が何かを分析できる」
「次に同じ状況になったときに、同じ失敗を避ける直感が得られる」
行動しなければ、結果はでません。あれこれ悩んで、一歩踏み出せないのは、こうした結果がずっと得られないことになります。
行動に起こすことは、多くの選択肢の中から選んでいます。そのひとつひとつの選択が結果へと結びついているはずですから、それを教訓に失敗の分析、原因を考えることで、次回は成功へ近づけます。
「失敗は、成功へのチャンス!」なのです。
成功が、失敗の積み重ねの結果であることは疑いようがありません。わたしはかつて、リサイクルショップを3店舗まで拡大したことがあります。リサイクルショップといっても、一見ブティックのような感じで、主にブランド品を取り扱うセレクトショップ的な位置づけです。1号店が駅の南側で開店したら好調な売上げだったので、駅の北側にも開店すれば、同じように売上があがると単純に考えたのです。事業計画書レベルであれこれ悩んでも売上見込みしか予想できません。
実際に店舗を開業し、商品を並べれば、結果は出ます。こればかりは、いくらマーケティングのプロでも読めない部分があります。
そういう意味でも行動に起こすことは、重要になります。
わたしの2号店の出店は、結果として失敗でした。売上の伸び悩み、店舗の維持費、社員の給料などを計算して利益が出なかったのです。
それでも、継続すれば売上があがり、採算も十分取れると予想していたので、銀行からの借入をしてでも続けていました。
損失を大きくしたのは、「2号店の出店が失敗だと認めたくなかった」ことが原因でした。どこかで意地になっていたところもあります。2号店の結果が思わしくなかったことを別の理由にすり替えて納得しようとしていました。
そこで、都内の商店街ならもっと反応があるはずだと考え、3号店を小岩に出店しました。
ところが、開店当初は売上もありましたが、やはり低調な売上げは2号店と変わり有りませんでした。好調な1号店の利益は、2号店、3号店の赤字で消えていくことがしばらくつづきました。
いまなら、何をすべきだったか、何に気づくべきだったかがわかります。しかし、当時のわたしは起業家としてのキャリアもないし、相談する相手もほとんどいませんでした。
社長ですから、社員に相談するわけにはいきません。
起業することは、自分で決断できるメリットがあるのですが、経営の舵取りは人によっても業種や置かれた環境によっても変わります。
最善の選択をするには、「失敗が糧になる」のだと思います。だから失敗していいという訳ではありません。
失敗しないことにこしたことはないのです。しかし、常に成功ばかりとは行きません。失敗を最小限にして、糧を得れば、成功で大きく利を得ることができます。
大事なことは、次のことなのです。
「まずは行動してみること、そして考える」
ぜひ、みなさんもトライしてみてください。
スモール起業のきっかけはどこにでもあります。今はインターネットの時代ですから、「脱サラ」「起業する」という言葉で検索すると、いくつものヒントになるサイトが紹介されます。
会社の設立の手順を解説するサイトもあれば、凡人でも起業できるアドバイスのサイトもあります。
書店に出かければ、ビジネス雑誌やビジネス本のコーナーに、独立開業向けの書籍が並んでいます。
銀行や商工会議所でもビジネス向けのセミナーや開業に関する講演会などのチラシがあります。それらを活用することから自分の考える起業のヒントを得られるかもしれません。
インターネットでは有名なエピソードですが、四十代のおばさんが、アイドルを夢見ていた十代に戻ってヒットした懐かしい歌謡曲をライブ中継で歌ったりおしゃべりをして、視聴者からのネットマネーの投げ銭を確保して、かなりの利益を上げている事例もあります。
わたしがリサイクルショップを始めたのは、ヤフーオークションがきっかけでした。いい品物を廉価で売買できることに気づき、もっと拡大できないかと考えたのが最初です。
いまでは、メルカリのように、スマホで簡単に商品の売買ができるフリーマーケットのアプリが登場しています。
メルカリなど、ネットのフリーマーケットシステムが広がることで、全国にあったリサイクルショップが半数以下になったとも言われています。
ネット通販が主流になりつつあるいま、リアル店舗は固定費もかかり、利益率も下がり、事業としては非効率とされがちです。
それはさておき、スモール起業をはじめるきっかけはどこにでもあります。手っ取り早いのは、ネットの中で探すことかもしれません。
どういう事かと言えば、ネットを活用して告知、集客をするという意味です。これまで広告や集客のために、企業は莫大な予算を使ってきました。しかし、インターネットを上手に活用すると、広告費用や集客費用などが大きく削減できるのです。
拙著の『メルカリの達人!』(ぱる出版)では、1日5分で月5万円のおこづかい稼ぎ方を指南しました。副業としてはじめるのなら、手間のかからないネットでも売買がおすすめだとして、稼ぎ方のコツをまとめた著書です。
例えば、メルカリを活用することで、スモール起業もできるのです。メルカリの出品者を見ていると、個人が多いのですが、なかには業者だろうという出品者も少なくありません。
インターネットは、「第四次産業革命」と言われています。
産業革命は、中学や高校の歴史などで学んだことがあると思います。イギリスで人力作業を蒸気機関で賄えるようにしたのが、最初の産業革命です。蒸気機関車に象徴されます。
次が、1800年代後半に起きた電力を使って工場の稼働による大量生産化です。
そして、1900年代後半、コンピュータによる機械の自動化が第三次産業革命とされ、インターネットによって第四次産業革命がもたらされたといわれます。
IoTなど、インターネットとモノのネットワーク化をはじめ、人工知能AIの開発に向かって、ネット技術はますます加速しています。
まさに、「インダストリー4.0(=第四次産業革命)」を迎えて、いまその社会での中でわたしたちは暮らしていることになります。
さて、第四次産業革命の時代に生きているいま、その技術を活用しない手はありません。決して難しく考える必要はないのです。スマホでメルカリを利用するように、売買でも広告でも集客でもネットの技術を活かせば、資金や時間を削減できます。
人と人の交流を盛んにすることもできますし、国境を越えての人脈づくりもできるのがインターネットのメリットです。
ぜひ、ネットを活用した事業計画を考えてみましょう。そういうところから、自分のやりたい仕事や事業が絞り込まれることもあります。
相談しても決めるのは自分
脱サラ、独立開業、起業するにあたって、いずれの場合も誰かが導いてくれるわけでも解決法提示してくれるわけでもありません。
すでに説明しましたが、わたしが起業しようとしたときに、心配してくれる友人や先輩たちはいました。母親は反対ながら、わたしの性格を知っているので、やると言い出した誰の意見にも耳を貸さないと知っていました。
「いいアイデアだ、絶対成功するよ!」「キミならできるよ!」「そうか、熱い気持ちはわかったから頑張れよ!」こういう言葉は誰からももらえませんでした。
逆に、「無茶なことするなあ」「ありゃ絶対失敗するよ」「学歴もないのに、できるわけがない」なんて傷付くような言葉が聞こえたりしました。
わたしはそれまで起業したことがありませんし、成功するかどうか不安でした。でも、誰でも起業にあたって不安にならない人はいないでしょう。わたしが起業したのは36歳でした。失敗したとしても最就職することもできたでしょう。
初めから失敗した時のことを考えていたわけではないのですが、不安の打ち消すために、稼ぐだけなら、再就職でもバイトでもやれば生活はできると思って取り組みました。
しかし、起業すれば常に不安がつきまといます。商品の仕入れがうまくできるか、いいお客さんが買ってくれるか、どうすれば集客が増えるか…悩みは尽きません。
店舗を構えて、まったく売れなかった日には、明日も明後日もお客が来なかったらどうしようとか、考え出すと眠ることもできなくなります。
すると、不安なこころが、「もう、ダメだよ、こんな事業は」「潰れる前にたたんじゃえよ」「才能があるわけでもないから、続かないよ」「痛い目にあわないうちに転職すれば」というような悪魔的な声がきこえてきます。実際に聞こえるわけではありませんが、不安になると、誰しもマイナス思考になるということです。
そんなときでも決めるのは自分自身なのです。
起業するということは、誰に相談しても決断は自分が納得しなければできません。重要な決断を下すストレスはありますが、逆に自分で決められるという自由があります。ですから、スモール起業を考える人は、決断するのは自分自身だと肝に銘じておくことが大事だと思います。
起業したいという人が多くなっています。今は株式会社をつくるのにもお金がかからず、すぐに起業はできます。
すでに説明しましたが、起業がゴールではなく、スタートなのです。起業して回りに認めて貰うまでには、結果を出すことが大切ですし、続けることが重要なことになります。
もちろん、親身になって相談できる人がいる場合は相談するといいでしょう。いいアドバイスをもらえるかもしれません。
そういう信頼できる人が回りにいることは幸せですが、それでも決断を下すのは自分自身しかいないのだと繰り返して申し上げておきましょう。
人の意見は参考にしかなりません。起業することは、責任を背負うことになります。その重みがあるからこそ、自由に決めることもできるし、あなた自身で事業内容を変えることもできるのです。
中小企業庁の公式ページで、2018年版「中小企業白書」が発表されています。
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H30/PDF/chusho/00Hakusyo_zentai.pdf
この中に、面白いデータが紹介されているので、少し引用してみましょう。起業家がどういうビジョンをもっているかについてでは、大企業への成長を目指すという回答は少数でした。
むしろ、現状維持でよいと回答するケースが多かったのです。要するに、中小企業に留まりたいというものです。
その理由は、次のようなものでした。(次ページのグラフ参照)
「中小企業の方が創造的な活動がしやすいから」……23.9%
「中小起業の方が人材をマネジメントしやすいから」……19.9%
どちらもスモール起業にあてはまる項目です。創造的な活動がしやすいことも人材をマネジメントしやすいことも、スモール起業なら自分で決められる裁量権があります。
繰り返しになりますが、誰かに相談しても最後に決めるのは自分です。中小企業白書のデータからもその一端がのぞける事例として紹介しました。